その日、その瞬間を映すおまかせ
佐々の料理は、当日の仕入れで構成するおまかせコース。素材が持つ香り・甘み・余韻を最大限に引き出し、軽やかな余白を残す味わいを目指します。看板料理の胡麻豆腐は、北海道・道南の川汲浜で獲れる真昆布を用い、澄んだ旨味を芯に据えた一品。口に含むと胡麻の芳醇さと昆布出汁の奥行きが静かに広がります。さらに、全国各地から届く旬の鮮魚を多彩に取り入れ、火入れや香りの設計には西洋の技法と、中華料理のダイナミズムを思わせるエッセンスを織り交ぜます。懐石の枠にとらわれない発想で、その日だけの“瞬間”を皿に映します。
和庭園を抜け、一枚板の特等席へ
高級感あふれる和庭園風のアプローチを進むと、美しい一枚板のカウンターが迎えます。席に腰をおろせば、包丁の音、立ち上る香り、火のゆらぎ――料理人の所作が五感に届く臨場感。落ち着いた照明と上質な素材で整えた空間は、肩の力を抜いて料理と向き合える静けさに満ちています。大切な日も、日常のご褒美も、カウンターが最上の舞台になります。
上海で磨き、東京で花開く歩み
2016年11月、佐々悠樹は上海で『永嘉路 悠』を料理長として開業し、以後、同市内で複数の日本料理店を手掛けて研鑽を重ねました。2020年9月には上海小肌餐飲管理有限公司を設立。2022年3月、旧フランス租界地エリアにて懐石『佐々』、鮨『福壽司』、焼き鳩料理『宮鳩』をプロデュースし、その手腕を確立します。そして2024年12月、満を持して東京・広尾に『日本料理 佐々』を開店。海外で培った感性と技術を携え、日本料理の新たな可能性を東京から発信します。
佐々 悠樹
東京の名店『すぎた』で基礎を磨いたのち、中国へ渡り8年間、経営責任者兼料理長として多店舗を率いる。現地で築いた信頼と実績を武器に出資者を募り、かねての夢であった東京での鮨店および懐石店の出店を実現。深い日本料理の知識と繊細な美意識を持ちながら、常に新しい組み合わせや表現に挑む創造性と情熱を併せ持つ料理人です。素材が語る声に耳を澄まし、和の技に西洋と中華のエッセンスを重ね、“いま、この一皿”の感動を紡いでいきます。